Ｗ杯を目前にして問題山積のブラジルに、また一つ難題が生まれた。少雨による、深刻な水不足だ。地元メディアによると、サンパウロ州や周辺の降雨量は１９３０年代以来最低水準。州都サンパウロで使用される水の約半分を供給する貯水池は、貯水率が一時８％程度にまで低下した。

　４月の同州の降水量は０・６ミリ（平年は８３・２ミリ）。このまま雨が降らない状態が続けば、Ｗ杯開幕直後ごろに底を突く可能性が指摘されている。少雨は地球温暖化の影響とみられている。

　同州政府は４月下旬、規定量を上回って水道水を使用した世帯に、水道料金に３０％を上乗せした金額を徴収する方針を表明。５月１５日には非常用地下貯水施設の水の使用を開始し、同１６日の貯水率は約２７％まで回復した。同州の複数の都市では、独自に計画断水を実施しているというが、いずれも抜本的な解決策にはなりそうにない。

　このまま雨が降らなければ、Ｗ杯期間中に深刻な問題が生じる懸念が生まれてきた。地元メディアは、断水や給水制限を実施する可能性をあげ、「サンパウロを訪れる数十万人の観光客が水不足に悩まされるだろう」と指摘した。

〈続く〉

ソース
サンスポ
http://www.sanspo.com/smp/geino/news/20140518/sot14051805030001-s.html